[コラム]ホッキョクグマが絶滅の危機?気候変動と環境汚染が及ぼす影響
2025.03.18

ホッキョクグマの個体数が減少する理由とは
気候変動や環境汚染の進行により、多くの野生動物が生息環境を脅かされています。ホッキョクグマもその影響を受けており、個体数の減少が懸念されています。国際自然保護連合(IUCN)は、ホッキョクグマを「危急種(Vulnerable)」に分類し、その存続が危ぶまれていると指摘しています。
この記事では、ホッキョクグマの生態や減少の原因、そして私たちができる対策について詳しく解説します。
ホッキョクグマの生態と特徴
ホッキョクグマは哺乳綱食肉目クマ科に属し、全身が白い体毛で覆われていることから「シロクマ」とも呼ばれます。
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体長:雄は約200~250cm、雌は180~200cm
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分布地域:北極圏沿岸、北アメリカ大陸北部、ユーラシア大陸北部
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食性:主にアザラシを捕食し、魚類や鳥類、クジラの死骸も食べる
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狩りの方法:優れた嗅覚を活かし、氷の下にいるアザラシを探し出して捕食する
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天敵:ほとんど存在しないが、水中ではシャチに襲われる可能性がある
ホッキョクグマは氷上での狩猟に依存しており、その生態系のバランスが崩れると生存が難しくなります。
ホッキョクグマの減少に関わる要因
1. 気候変動による海氷の減少
ホッキョクグマの減少に最も大きな影響を与えているのが、地球温暖化による海氷の減少です。
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氷の減少が狩猟を困難に:ホッキョクグマは氷上でアザラシを待ち伏せして狩りをしますが、氷が減ることで狩猟の機会が減少。
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母グマの栄養不足と子グマの生存率低下:狩猟が難しくなると、母グマが十分な栄養を確保できず、結果として子グマの死亡率が上昇。
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長距離遊泳の増加:氷が減ることで、ホッキョクグマは餌を求めて長距離を泳がざるを得ず、体力消耗による死亡リスクが高まる。
一部の研究では、2100年までにホッキョクグマの個体数が大幅に減少する可能性が指摘されています。
2. 環境汚染の影響
気候変動だけでなく、環境汚染もホッキョクグマに深刻な影響を与えています。
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残留性有機汚染物質(POPs)の蓄積:
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農薬や工業廃棄物に含まれる有害物質が風や海流に乗って北極圏に到達。
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これらの化学物質が食物連鎖を通じてホッキョクグマに蓄積。
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繁殖能力や免疫機能に悪影響を及ぼし、子グマの生存率低下の原因に。
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2001年には「ストックホルム条約」により、POPsの規制が進められていますが、完全な汚染防止には至っていません。
3. 人間との軋轢の増加
海氷の減少により、生息地を失ったホッキョクグマが人間の居住地に出没するケースが増えています。
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ロシアのベルーシャ・グバでは非常事態宣言(2019年)
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町に大量のホッキョクグマが出没し、住民の生活に影響。
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食料不足によりゴミ箱をあさる個体が増加。
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このような事態が続けば、ホッキョクグマと人間の衝突が増え、駆除などの対策が取られる可能性もあります。
ホッキョクグマの絶滅を防ぐためにできること
ホッキョクグマの絶滅を防ぐためには、気候変動や環境汚染の対策を進める必要があります。私たちができることを以下に挙げます。
1. CO2排出量を減らす
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節電・省エネを意識する
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再生可能エネルギーを活用する
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環境に優しい移動手段(公共交通機関・電気自動車)を選ぶ
2. 環境汚染を防ぐ行動をとる
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リサイクルを徹底する
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プラスチックごみを減らす
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環境に配慮した製品を選ぶ
3. 情報を広める
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環境問題について家族や友人と話す
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SNSで情報を発信し、関心を持つ人を増やす
小さな行動でも、多くの人が取り組めば大きな変化を生み出します。この記事をシェアし、環境問題への関心を広めることも大切です。
まとめ
ホッキョクグマは、気候変動や環境汚染の影響を大きく受けています。海氷の減少や有害物質の蓄積により、個体数の減少が続いているのが現状です。しかし、私たちが環境に配慮した行動を取ることで、彼らの生息環境を守ることが可能です。
環境問題は私たちの未来にも関わる重要な課題です。ホッキョクグマの現状を知り、できることから始めてみましょう。