[ニュース]世界の大都市でネズミ増加、温暖化が主要原因に―米国研究
2025.02.14
最近発表された米リッチモンド大学の研究によると、世界中の大都市でネズミの数が急増しており、その主な原因として気候変動が指摘されています。温暖化が進む中、ネズミの活動が活発化し、都市部での問題が深刻化していることが明らかになりました。
温暖化がネズミの繁殖に与える影響
この研究では、米国内13都市に加え、カナダのトロント、オランダのアムステルダム、そして日本の東京など、16都市におけるネズミの目撃、捕獲、点検データを12年以上にわたり分析しました。結果として、16都市中11都市でネズミの数が増加傾向にあり、特にワシントン、サンフランシスコ、ニューヨークなどで顕著に増えていることが分かりました。
温暖化による活動期間の延長
温暖化により、特に冬の気温が上昇すると、ネズミの活動時間が延長され、繁殖期間が長くなります。さらに、温暖化によってネズミが食べ物やゴミの臭いを遠くまで感知できるようになり、ネズミにとって有利な環境が整っています。このことが、ネズミの数が増加する主要な原因とされています。
都市でのネズミ問題とその影響
ネズミの増加は都市に深刻な問題を引き起こします。ネズミはインフラを破壊し、食品汚染の原因となり、火災を引き起こすこともあります。米国では、ネズミによる損害額が年間270億ドル(約4兆円)に達すると推定されています。さらに、ネズミは50種類以上の病原菌を運び、人間にレプトスピラ症やその他の感染症を引き起こすこともあります。
ワシントンDCでのネズミ増加
特にワシントンDCでは、ネズミの増加が目立ち、都市の気温が過去最高を記録した年にさらに悪化しました。リッチモンド大学のリチャードソン教授は、ネズミが減少した都市の対策を模倣することが重要だと指摘しています。これらの都市では、自治体が住民に対してネズミの予防方法を教育し、駆除対策に積極的に予算を投入した結果、効果的にネズミの数を減少させました。
今後の課題と対応策
温暖化が進む中、ネズミ問題はさらに悪化する可能性が高いため、自治体や住民は今後の対策強化を求められます。リチャードソン教授は、ネズミ対策を早急に強化し、温暖化に対応できる予防策を講じる必要があると警鐘を鳴らしています。