News

HOME > News > [ニュース]横浜の海軍道路の桜並木が再生へ:5年後の消滅予測に対応

[ニュース]横浜の海軍道路の桜並木が再生へ:5年後の消滅予測に対応

2024.09.19

横浜の海軍道路の桜並木が再生へ:5年後の消滅予測に対応

横浜市瀬谷区と旭区にまたがる米軍上瀬谷通信施設跡地内を走る環状4号線、通称「海軍道路」の桜並木が再生に向けた大きな一歩を踏み出しました。
市はこの桜並木を保存するため、老朽化した一部の樹木を公園に移植し、新しい品種を植える計画を発表しました。約40種類、600本の桜が海軍道路と新設される公園に植樹され、地域に新たな桜の名所が誕生することが期待されています。

桜並木の現状と再生計画

海軍道路沿いの桜並木は、1976年ごろから植えられ始め、1995年度には約600本に達しましたが、樹齢が進むにつれて倒木や病気が増加。現在では202本に減少しています。今年度の調査では、残存する168本のうち、健康状態が良好なものはわずか19本で、149本は腐朽が進行しているか、進行が予測される状態でした。これにより、5年後には桜並木が消滅するとの予測も出されています。

これを受けて市は、健康状態が良好な樹木を通信施設跡地に整備される新しい公園へ移植し、海軍道路には病気に強い「コシノヒガン」を中心に再植樹する方針を固めました。コシノヒガンはソメイヨシノに似た淡いピンク色の花を咲かせますが、ソメイヨシノほど成長が早くないため、車道に影響を及ぼしにくいのが特徴です。

新しい桜の名所の誕生

新たに整備される公園には、早咲きから遅咲きまで様々な品種が植えられる予定です。これにより、訪れる人々は長い期間にわたって多様な桜の花を楽しむことができる名所として地域の魅力がさらに高まることが期待されています。

桜並木保存への市民の声

海軍道路の拡幅工事に伴い、桜並木の伐採計画が持ち上がった際には、市民から3万6千人分の署名が提出されました。市民の熱意が再生計画の推進を後押しし、伐採ではなく再生への道が選ばれたのです。

樹木医の見解

かながわ樹木医会の代表理事である安部鉄雄氏は、移植にはリスクが伴うと述べています。樹木を移動する際には根を切らざるを得ず、根付くまでの間に樹木が弱る可能性があるため、倒木の危険性も残るという指摘です。しかし、倒木の危険性がないと判断された木だけを移植するという市の判断は妥当だとしています。

今後の展望

2027年には国際園芸博覧会(GREEN×EXPO)がこの地域で開催され、その後には大型テーマパークの建設も計画されています。これにより、地域の観光スポットとしての価値が高まり、海軍道路の桜並木も新たな形で復活することが期待されています。

今回の再生プロジェクトは、桜の保存だけでなく、地域の景観と観光資源としての桜並木を未来へつなげる重要な一歩となるでしょう。

 

参考:横浜・海軍道路の桜並木、植え替えで再生へ 「5年後に消滅」予測で

PageTop